Melting Pot of Thoughts

SaaSスタートアップのCTOです。思考の整理のため考えたことをメモとしてアウトプットしていくブログです。

2022-01-01から1年間の記事一覧

暗黙知ははたして悪なのか?

”暗黙知”という言葉はたいていネガティブな文脈で使われます。 ”暗黙知”でGoogle検索すると、対義語の”形式知”について触れつつ「どうすれば暗黙知を形式知に転換できるか」についてのノウハウが書かれた記事がたくさん出てきます。 暗黙知(個人が持つ知識…

ドメインエキスパートとどれだけ議論しても、完璧なドメイン理解にはたどり着けない

自分がこれまでSaaSを開発してきた経験の中で、「ドメイン領域に対する自身のモデリング精度が低かったゆえに、機能リリースからある程度時間が経ったのちに仕様をガッツリ見直した」ことがよくありました。 特に投資の計算指標などドメイン知識が複雑なもの…

スクラムは積極的にカスタマイズして使うべき

有名な開発フレームワーク”スクラム”が、現代のアジャイル開発にもたらした貢献は多くの人が認めるところだと思います。 私自身も、スクラムの思想である「経験主義」「リーン思考」に強く影響を受けた人間の一人です。 私はスクラムの考え方自体はかなり好…

技術的負債が返済されない理由と返済する方法

ITエンジニアにはおなじみの『技術的負債』についての記事です。技術的負債の定義は「最善ではない設計や実装により内部品質が低下し、将来的な保守性やシステム性能としてのスケーラビリティに影響を与えるような課題」とこの記事内ではします。 コードを書…

スマホを物理ロックして生活が捗るようになった話

1年前にスマホを物理ロックするアイテムを買い、以来ずっと愛用し続けています。使ったことで平日も休日もすごく捗るようになり、個人的神アイテムなので紹介します。 物理ロックって? 写真のようなボックス型のアイテムです。スマホを入れてタイマーをセッ…

ラバーダック・デバッグから考えるセルフレビューの方法

プログラミングにおいて、『プルリクエストのセルフコメントを書くのはオススメ!』という話を以前別の記事でしました。 プルリクエストは本来他の人にレビュー・コメントしてもらうために作るものですが、それを人に見せる前に自分自身でレビュー・コメント…

OSSにコントリビュートしたことで身についた力

OSSへのコントリビュートは業界への貢献であり、また個人の挑戦にもなるためオススメです。 実益もあり、よく言われるものとしては以下のようなものがあります。 他人のコードを読むことで、自身の引出しにない設計・実装に触れられ、技術力が向上する。 個…

在宅勤務のオフィスレイアウトの工夫

ここ3年ほど、仕事は在宅から行うことがほとんどでした。 在宅勤務にあたり特別な工夫はあまりしていないのですが、部屋のレイアウト関連でやや珍しい工夫を2つしています。この記事ではそれについて紹介したいと思います。 ================== 1つ目が机の…

育児のため休暇を2週間とってみた

先日初めての子供(娘)が産まれ、かなり短いですが2週間育児のための休暇をとりました。 自分の価値観が変わる体験だったため、休暇取得のため考えたことや休暇中に感じたことについて書いてみたいと思います。 休暇取得のタイミング 出産後1ヶ月後時点から…

当事者になることで見え方が大きく変わる

ここ4年で転職・引越し・結婚・出産・祖母の死去など、ライフイベントが色々ありました。また3年前からコロナ禍により、平日はフルリモート勤務で休日は外出自粛するライフスタイルへと大きく変わりました。さらに3年半前に転職したとき、会社には2名しかい…

『How Google Works』を読んだ感想

『How Google Works 私達の働き方とマネジメント』という本を読みました。一昔前に話題になった記憶がうっすらある本で、調べてみたら2017年9月発行で4年半前に出た本でした。文庫本サイズでたまたまお手頃価格で書店に並んでいたので、購入して読んでみまし…

巷のIT系勉強会に参加する意義

最近はITエンジニア向けの勉強会が世で毎日のように開かれています。Compass, TECHPLAY, Doorkeeperなどのサービスを見れば、面白そうな勉強会をたくさん見つけることができます。見に行けるだけでなく登壇ができる(自分が発表者になれる)ものもあります。…

考えることを仕組み化する

毎日を淡々と過ごしていると、刺激を受ける機会が少なくなり、思考が停滞しがちです。特にコロナ禍で外出する機会が減ったことで、何気ない日常から受けていた刺激などがなくなりました。「日が経つのが速くなった」と感じる人も多いそうです。 思考の停滞に…

『ティール組織』より『ティール型チームで構成される階層型組織』

最近特にIT業界ではティール組織であることを標榜する会社がちらほら出てきているのを感じます。実際、ティール組織が目指す「セルフマネジメント」「ホールネス」「組織の存在目的」という目的は素晴らしく、今の世代の価値観に合う考え方です。 一方、大抵…

ボーイスカウトルールをあらゆることに適用する

プログラミングには”ボーイスカウト・ルール”と呼ばれる有名な格言があります。 ボーイスカウト達は「来たときよりも美しく」という原則を大事にし、キャンプした後は過去に他の人が出したであろうゴミも持ち去りキャンプ前よりもキレイにしようという文化が…

1 on 1のテーマは人により大きく異なる

"1 on 1"は色々な会社で行われている人気の制度で、今やノウハウが本にもネットにもたくさん落ちています。 よく言われている1 on 1の原則としては、以下のようなものがあるかと思います。 1 on 1は1 on 1を受ける人のためのもの 1 on 1をする人は話を傾聴す…

日によってコミュニケーション密度を変える働き方

普段プログラミングしていて感じるのは、「細切れではないまとまった時間が確保できていないと集中して作業できない」ことです。 「あと1時間後にMTGがある」というだけでなぜか深く集中に入り込めなくなります。 深く集中するとそこから抜けるのに負荷がか…

新規開発立ち上げ期におけるコードレビューの役割

どんな開発現場でもコードレビューは重要です。今の時代だとGithubのプルリクエストなどをベースとしたコードレビューは、開発の現場ではもはや必須ともいえる制度です。 ただ私はスタートアップでの立ち上げ期を経て、新規開発立ち上げ期においてはコードレ…

コードそのものではなくプルリクエストを成果物として意識する

ソフトウェアエンジニアが直接的に生み出すものはプログラムのコードそのものです。 しかし個人的な経験として成果物をコードそのものではなくプルリクエスト全体だと捉えることでぐっと仕事の質が良くなったので、その話について書いてみます。 ※ 注:以降”…

”フルスタックエンジニア”という単語はもっとポジティブな意味で捉えられていいんじゃないか

個人的な感覚ですが、昔から"フルスタックエンジニア"という単語はネガティブに捉えられることが多い気がしています。 実際、試しに”フルスタック”とGoogle検索してみたところ、サジェストには「いらない」「器用貧乏」「笑」など、嫌われている雰囲気があり…

ポジティブなフィードバックは『できて当然のこと』にもするのが良い

先週ネガティブなフィードバックを活かす方法(以下記事)について書いてみたので、今週はポジティブなフィードバックを活かす方法について書いてみます。 前回記事 ポジティブなフィードバックは『称賛する』と同義です。ポジティブなフィードバックはネガ…

ネガティブなフィードバックを活かす方法

仕事においてフィードバックを受けることの大事さはおそらく誰もが認めるところだと思ってます。様々な組織において行われている1on1や評価面談などの制度も、フィードバックをすることで個人の行動をより良いものにしていくことが目的だったりします(もち…

ブログを書き始めた理由

3ヶ月前にブログを書き始めましたが、週1ぐらいのペースで順調に書き続けています。今年の抱負として去年と同じぐらいのペースで書き続けたいなと思っているので、自分が目的意識をはっきりと持てるようにするため、改めてなぜブログを書き始めたかを整理し…