Melting Pot of Thoughts

SaaSスタートアップのCTOです。思考の整理のため考えたことをメモとしてアウトプットしていくブログです。

育児のため休暇を2週間とってみた

先日初めての子供(娘)が産まれ、かなり短いですが2週間育児のための休暇をとりました。

自分の価値観が変わる体験だったため、休暇取得のため考えたことや休暇中に感じたことについて書いてみたいと思います。

 

休暇取得のタイミング

出産後1ヶ月後時点から2週間(正確には休日込みで17日間)、休暇をとりました。

出産直後は奥さんが1ヶ月実家に里帰りしており、出産1ヶ月後に自宅に帰ってきて、その時点から2週間の休暇をとった形になります。

普段の仕事内容

スタートアップでCTOをしており、普段はマネジメント・採用・開発・コーポレートITなどを担当しています。たった2週間とはいえ準備なしで抜けるとまずいので、自分なしでも日常業務が回るようチームとしての準備を進めました。最近では特にスタートアップを中心に経営メンバーが育休を取る例が増えてきていることもあり、チームからの理解もスムーズに得ることができました。

休暇の種類

育児休暇ではなく有給休暇を使いました。有給休暇が十分に余っており、育児休暇を使うメリットがあまりなかったためです。ちなみに取得こそしませんでしたが育児休暇制度については色々と調べ、とても素晴らしい制度だと感じました。

 

まず雇用保険のおかげで休み中も賃金の67%(休暇取得後半年経過すると50%に低減)も支払われる点が素晴らしいです。またこれは会社ではなく国から支払われる金額であるため、会社に気兼ねをしなくていいのもありがたい点です。

また期間も1年間取ることができますし、他にも条件を満たすことで追加取得もできます。

さらに、会社は育児休業の取得を原則拒否することができないよう、法律で従業員の権利として定められています。

 

どうやら日本の育児休暇制度は世界で最高クラスだそうで、世界でもっとも父親に育児休業期間が長い国だそうです。(ただ残念なことに取得率は最低クラスのようです)

参考:男性育児休暇の現状|パパ特有の制度紹介と取得率を上げるための対策

 

2週間という期間について

会社として大事な時期だったため休暇期間は短く2週間にしました。ただ「仕事に影響を与えることなく育児にじっくりと慣れることができる」という意味では2週間は充分な長さだったと思います。

個人的には「育休を取得するかどうか迷っている」という人のミニマムな取得単位として2週間という単位はオススメです。2週間程度の休暇であれば事前に調整すれば、大抵の方は問題なく取れるかと思います。また2022年10月から『産後パパ育休』という制度ができ、産後8週以内で一度育休を取得後、後日再取得もできるようになったので、まずは2週間育休というのはお手軽で良いと思います。
(↓『産後パパ育休』の詳しい説明はこちら)

【2022年10月〜】「産後パパ育休」と「育児休業の分割取得」のポイントを社労士が解説 - SmartHR Mag.

 

ただし奥さんの育児負担を減らすという意味では、2週間では当然短いため、夫婦の生活に余裕を持ちたい人は1ヶ月ぐらいは取得したほうがいいと思います。ただし育休終了後も育児はずっと続いていくわけなので、育休の期間が長いことよりも育休終了後に育児を頑張っていくための準備をしっかりできることのほうが重要ではないかと思います。

そのため育休の目的は『産後の一番大変な時期のサポート』と『今後自分が育児に参加する上での作業を覚えること』と考えていました。

個人的には、育休の長期一括取得はせず、奥さんが大変な時期(例:奥さんの復職タイミング)に小分けで取得するようなイメージを今の所予定しています(ちなみに前述の「産後パパ育休制度」もそういった設計になっています)。

 

日々の過ごし方について

日中はリビングにベビーベッドを動かして、娘と同じ部屋で過ごしていました。1時間おきくらいに娘が起きたり泣いたりするので、その都度オムツを変えたりミルクをあげたりしつつ、自分はのんびり過ごしたり家事をしたりしていました。

自分も奥さんも休暇を取りフルに時間があり育児・家事は分担できたおかげで、日中は比較的余裕を持つことができました。日中に時間があったおかげで、オムツ替え・ミルク・お風呂の入れ方を調べたり、必要な物資の買い出しを行ったり、娘の顔の湿疹や便秘症状(生後すぐだと一般的だそうです)について調べる時間がゆっくり取れました。

ただ赤ちゃんは起きているときは四六時中動いたり唸ったりするので、その都度大丈夫か気になって見てしまうため、なにか並行して作業に集中することは難しかったです。また自分か奥さんが外出するときには、もう片方が家にいて娘を見ていないといけないため、ふらっと近所にでかけたりすることはできなくなりました。

 

日中よりも夜が大変でした。赤ちゃんは夜寝るサイクルがまだできていないので、2時間おきぐらいで泣くからです。夜は申し訳無いながらもほとんど奥さんに頑張ってもらっていますが、数回だけ夜中3時ぐらいまで自分で体験してみたところその大変さがわかりました。寝かしつけたあとも、2時間おきぐらいで起きるため、連続して寝る時間がなく常に寝不足になるようなイメージです。

 

生後1ヶ月の育児の負担度合いとしては「仕事よりは軽いが、仕事より圧倒的に長いのがきつい」といった感想でした。突発的な忙しさという意味では大変ではなく育児以外のことをやる時間的余裕はありますが、育児は朝も夜も深夜も24時間年中無休で続くのでそれが大変でした。

 

休暇明け後、奥さんのサポートを仕事と並行して頑張らなければいけないなと思いました。

2週間振り返ってみて思ったこと

とにかく準備は大事だと感じました。

特に奥さん・娘が自宅に帰ってきた直後が大変な時期になるので、事前準備をしておかないとキツイことになります。赤ちゃん用品などの事前準備や、オムツ替え・お風呂の入れ方など覚えることが一杯あるため、事前にやり方を覚えておくといいと思いました。

特に出産後2ヶ月ぐらいは、役所の申請や出産祝いへの内祝い返しなど、他にもやることがたくさんあるので、バタバタしないという意味でも準備は大事だと思います。

 

また2週間だけでもフルタイムで娘と一緒に過ごしたことで、価値観も変わりました。子供が産まれた直後は正直あまり実感がなかったのですが、自分でオムツ替えやミルクをあげたりすることで子供が産まれた自覚がでてきました。

また諸々の育児に関わる作業が一通り自分の手でできるようになったことで、積極的に関与しようという意思がうまれました。働きながら空き時間にちょっとずつ関与する方法だと、どうしても「自分ができるところだけ手助けする」という形になってしまうため、育児が一部他人事になっていたんじゃないかと思います。『出産と授乳以外はパパでもできる』という言葉があるそうで、実際そうだと感じたので一通りできるようになることは育児に積極的に関わる上で大事だと思いました。

 

そういった意味で、短い期間でいいので育児のための休暇取得、個人的にオススメします👍